・公的扶助漬け
現在私は、
障害厚生年金(2級16号)・精神障害者手帳(2級)・自立支援医療給付を受けて生活している
これらの公的扶助のおかげで私はこうして今まで生き存えている
ありがたいことだ
よく我が国を指して「弱者には冷たい」だの「手続きが煩雑」だの「申告制とはけしからん」だの色々批判する人が少なくないが、私個人的にはそんなことはないと思ってる
本当に弱者に冷たいのならここまでの手厚いセーフティーネットなんてありえない話だし、しかし私自身こうして様々な支援サービスを受けられているので、こういう人たちは一体何を指してそう思い悩むに至ったのか、是非とも訊いてみたい気分である
・発症そして診断
2016年も押し迫っていた11月、私は会社に転職を含めた
離籍を打診していた
その理由とは「
感情の浮き沈みが激しく接客や運転に支障が現れている」こと
実際このせいで乗客とたびたびトラブルを起こすようになっていた
自慢するわけではないが私は「接客は可もなく不可もなく至って普通」「車の運転に関しては人並み以上の流れる運転操作を自負」していた
はずだったのに、この頃には些細な、本当に些細なトラブルから会社へのクレームに発展することが何故か多く、私は
精神的に疲弊していた
このままだと自分は「タクシー乗務という仕事に殺される」ことにも成りかねないことを心底から恐れ慄き、とにかく今の仕事から離れることを考えるようになっていった
そしてある日、私は営業所の所長に、現在の自分の心身の状態・これまで繰り返しクレームを出してしまったことの謝罪、そして私自ら病院行って確定的な診断をもらってくることを告げ、その日は乗務をナシにしてもらい、会社の制服のまま着の身着のままで地元じゃちょっと大きめの大病院(自宅からは車で5分)の
心療内科の扉を叩いたのだった
結論から言えば
「あなたは
うつ病です、今日から長い戦いが始まりますよ」
と、まるで死の宣告を受けるかのような口調で告げられ、さらさらっと一枚の診断書をその場で書いて出してくれたのだった
ちなみにこの日が、後日請求することになる障害年金の
初診日として扱われることになる
・奔走
さて、主治医にケツを引っ叩かれ訪れた区役所
精神や身体などで支援を受けたい人は別館に通される
まずやるべきこと、
精神障害手帳の取得と自立支援医療受給者証の発行これらには特に大きな審査があるわけではないが、初めて発行してもらう場合どちらも2週間程度はかかるのでもう一度区役所に足を運ぶ必要が生じる
生活保護と違って
書類が揃えばとりあえず発行してもらえるので気長に待つと良い
大体2週間ほどでどちらも出来る
取得したら、まず精神障害手帳を片手に「
横浜市福祉乗車券」という、年間1200円払えばタダで市内のバス路線+市営地下鉄乗り放題になる定期券のようなものを申請しに行こう(自治体によって呼称が異なるようだが横浜市ではこの名称)
これは郵便局に申込用紙が備えられており、窓口で手数料1200円を払いさえすればその場で発行してくれ、しかもその日からもう使えるというスグレモノ
時同じくして
自立支援医療受給者証(精神)も発行されるはず
こちらは予め任意で指定した病院・個人医院と薬局での支払額が
通常の3割から1割に減額してくれるというもので、例えば毎週のように通う場合の医療費を大幅に減らすことが出来る
これらを以てしても症状の改善が見られず半ば症状固定化が進んだ時、いよいよ障害年金という言葉が脳裏に浮かんでくるであろう
・健康保険の傷病手当金
しかしその障害年金受給の前段階として実際にはまず自身が加入している
健康保険組合の傷病手当金の受給を勧められる
一つには
障害年金より傷病手当金のほうが大多数の人は給付額が多いからなのと、二つ目は障害年金は
初診日から1年半以上経たないと請求そのものができないが、傷病手当金はその名の通り現時点で負った傷病のせいで仕事ができない(労務に服することが出来ない)場合に
四日以上休めばすぐに支給対象になる、というのが理由だ
大抵の人なら傷病手当金の支給期間で症状が軽快もしくは完治することが殆どであるので、この先については問題にならないと思われる
デメリットも有る、それはどんなに症状が重くなろうと1年半を超えて支給が継続することはなく(いわゆる
給付の打ち切り)、また
1ヶ月単位で判断されるので例えば「休もうとする月の半分は出勤し残りの半分は傷病手当金の受給で休職する」と言ったことは出来ないので、
「どうせもらうならきっちり1年半休んでガッツリ貰ってしまいましょう」
と強く勧めたい
・障害年金の申請の前に
そしていよいよ障害年金の出番が来る
上述したとおり、障害年金は初診日から1年半経たないと請求ができないが、それは傷病手当金の支給期間が1年半という縛りに呼応した結果なのだと思っている
傷病とは治ることが前提なので1年半もかかって治らないのであればそれはもはや健康保険の趣旨に反することとなってしまうため、以降は社会扶助としての障害年金の受給が第一選択となるわけで、何ともうまい仕組みが整っているものだと唸らされる
ともかくここでいちばん重要なのは
初診日を確定させることで、これがはっきりしないと貰えるものももらえない
一つポイントなのは、うつ病との確定診断を受けた診療科が心療内科もしくは精神科でなくても、
どこぞの医師が「それはうつ病ですね」と診断すればそこが初診日として扱われる点
病は気からとも言われるように、身体の不調より精神の不調のほうがよほど厄介なものだということは、診療科の垣根を超えて医師の間では常識になっているからだ
もう一つ、それは
年金を払っているかどうかだが、何故心身の不調で障害年金を受けたいのに年金という文言が出てくるのかと疑問に思うかもしれない
理由は簡単で、障害「年金」である以上各年金団体(年金機構)が所管しているからだ
本来であれば
300ヶ月=25年の加入期間が必要になるが、実際の運用としては300ヶ月に満たない状態でも申請だけは出来るようである
つまり
「初診日を確定させること」と「一定期間の年金加入」の二つが、障害年金の受給には必要条件になるということを知っておきたい
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